先日整理をしておりますと、なんとも古めかしい冊子が出てまいりました。
その名も「知っておきたいお茶の知識-お茶とは?-」
表紙には昭和41年と表紙にありますから私が生まれる前のものです(^^;)
お茶の種類やお茶の淹れ方、お茶の上手な買い方の他に簡単な学名やお茶の歴史、製法や成分など「日本茶インストラクター」のテキストに出てくるような専門的な内容までかる~く記載されています。
「日本人の生活の中で、朝起きる、お茶を飲む、ご飯を食べるなどという事は、極めて当然な毎日の習慣となっていて・・・」「その日の料理献立や衣服には神経質と思われる程、気を使って居られる奥様方ならお茶も同様に気を配っていただきたいものです。」など・・・。
現在では直ぐに訂正されてしまう文言もありますが、かつて栄西禅師がおっしゃったと言われる「茶は養生の仙薬、延命の妙術なり」の言葉にもありますように、なんとなく身体にいいものだ!というところからどう身体にいいのか、現在の書物と比べますとずっと先人の方々が研究されてきたのを肌で感じたような気持になりました。
さて、最後のページになりますと、昭和41年当時のお茶の「小売り標準価格表」があります。
なるせ園には店名の付いた煎茶があります。その由来を父に聞いたところ、「当時一番売れていた価格帯のお茶で、自信をもって売ったお茶なんだ」と教えてくれましたが、当時の特撰と言われていたお茶は100g詰で500円のお茶だったことがこの資料からも分かりました。すると、当時から仙台では特撰のお茶を飲んでいる方が多かったことが分かります。(よく産地の方に「東北のお客さんはいいお茶を飲まれますね」と言われます。産地ではお茶の消費量が本当に多いのですが、価格帯はもっとお手軽な値段だったりします。)
なるせ園を開店した当時の父の意気込みを感じ、2024年産新茶の発売を前に私もパワーをもらった気がしました。
新茶は今年も80g詰で「大走り新茶」を皮切りに順次発売する予定です。天候に影響を受けるため、発売日がギリギリまで決まりません。
今年は10g詰のパックもご用意して、少しづついろいろな味を楽しんでいただけるようアソートセットもご用意する予定です。どうぞご来店いただきまして春の香りをご賞味いただければと思っております。5月で57年目となる「なるせ園茶舗」をよろしくお願いいたします。