
あなたは「お茶」と言うと どんな飲み物を想像しますか?
お湯で煎じたもの(緑茶、紅茶、烏龍茶、プーアル茶、麦茶、ハーブティー、ハトムギ茶…)や味付けのモノにお湯を注いだもの(昆布茶、桜茶…)などいろいろありますね。茶葉で売っていたり、ペットボトル等ドリンクで売られているものと、形状も様々です。
私達は緑茶を茶葉の状態で販売しております。
何故そういう面倒な事をいうかと申しますと、近年ペットボトルで販売されているお茶が「お茶」と認識されている方が随分と増えたからです。因みにお宅には急須はありますか⁈
平成11年の大震災のあと、後片付けに追われている中若者が「あのぉ、お茶はありますか?」と店にやってきました。「ハイハイ、どちらのお茶を差し上げましょうか⁈」と応対すると彼は困った顔をして「お茶のモトではなくて…お茶が欲しいんです」と言うのです。
「お茶のモト」? その時の私には全く分からず固まってしまいました。少し話をして彼が求めているものが「ペットボトルのお茶」だと判明したのです。
よく「茶葉」「葉っぱ」という表現は聞きますが、この「お茶のモト」という表現は初めてでした。彼は何故そのような表現をしたのかいろいろ考えました。お茶は液体で飲める状態のものであり、私たちの扱う「お茶」はその原料…確かにそうです。そして最近回転寿司などで見かける『粉末茶などを湯呑みに入れてお湯を注いで飲んでいるもの=お茶』だと認識している若者には、茶葉は「お茶のモト」と感じるのは普通の事なのかもしれないと思いました。
このように曖昧な「お茶」という表現。いろいろな飲み物にも使うので、いかにも日本らしい外国の方を悩ませるモトですよね!
当店で取り扱い販売する「お茶」は、日本茶であり緑茶であり煎茶です。写真のようなお茶の木に生える葉っぱを摘んで、蒸して揉みながら乾燥させたモノをお湯で淹れて飲みます。ちょっとした加減で味が特段美味しく変わるので、是非ティーポットではなく、急須で淹れて頂きたいとお茶屋は思うのです。
このコロナ禍の中も頑張る自分や大切な方へ、いつもより少し丁寧に淹れたお茶をサービスしてあげて下さい。お茶缶を開けた時のほわっと香る薫り、お湯を注ぎ急須で湯呑みに注ぎ分ける時に立ち上る薫り、口に含んだ時に鼻へ抜ける薫り…一つ一つゆっくりと愉んでいただけたらと思います。
お茶のモトでしか味わえないひと時がある事をもっと知っていただきたいなぁと思うのです。