今日は八十八夜です

今日は立春から数えて88日目に当たり「八十八夜」と言われています。この時期に摘まれる新芽で作ったお茶は「新茶」や「一番茶」などと呼ばれ、風味豊かなお茶を楽しむことが出来ます。またこの日に新茶を飲むと一年健康に過ごせると昔から言われており、お茶を贈る風習があります。

今年は産地で春先の天候に恵まれたせいで、例年より1週間も早い新茶の到着となっています。風味も豊かで、急須で淹れるとふんわり春の香りがします。コロナ禍でステイフォームが続く中、ゆっくりお茶を飲んで過ごしませんか⁈

先日某テレビ番組でコメンテーターの方が「お茶の二毛作」などという発言があり、お茶屋としては目が飛び出るほど驚いたのですが、産地の方でないとなかなかお茶の木を見ることはないのでしょうがないのかなぁと思ってしまいました。

お茶はお茶の木の葉っぱで作ります。ツバキ科なので、お茶の花はツバキの花にどことなく似ていますよ。お茶は常緑樹で、春になると新芽が出てきます。その新芽を摘んで、蒸して乾燥させたものが日本茶として店頭で売られています。乾燥させる工程や加工の違いでいろいろ種類が分かれます。(因みに大まかに葉を醗酵させて作ると紅茶、半醗酵させて作ると烏龍茶となります)木なので稲のように二毛作はありえません。

先ほど常緑樹と申した通り、新芽は次々出てきます。(冬は寒さに耐えるため新芽は出ません)春に一斉に新芽を摘んでも少し経つとまた新芽は出てきます。静岡県では通常3回、地域によっても4回葉を摘みます。それが、暖かな鹿児島ですと5回も摘むところがあるのだとか・・・。

しかし、摘み続けるとお茶の葉の栄養分はだんだん少なくなります。これは木や葉の成長により旨味成分が減少していることになります。ですから美味しいお茶を作ろうと思うと葉を摘むのは3回くらいにしてお茶の木を休まるのです。中でも寒い冬の間に栄養分を蓄えて春に出てくる新芽は栄養分が豊富で、旨味をたっぷり含んだお茶となります。なので、この時期に摘まれるお茶を「新茶」「一番茶」と呼んで珍重されます。因みに「二番茶」「三番茶」と呼ばれるお茶の葉は番茶やほうじ茶、ペットボトルのドリンクの原料となります。

最近は保存方法の発達により、年中香り豊かな美味しい煎茶を飲むことが出来ますが、この時期だけ新芽の良さを味わうために乾燥具合が違って作られます。そのためにちょっと青草っぽい新芽の香を楽しむことが出来ます。(長期保存するために通常は「新茶」となっているお茶より乾燥させるため「火入れ」を強くしています。)この時期だけの柔らかな芽は飲んだ後のお茶殻も柔らかく、そのまま食べていただけます。お醤油やポン酢、お好みのドレッシングをかけてお召し上がりください。通常お茶には溶けださない栄養成分も丸ごと接種できます。

コロナ感染症に負けない体づくりで、緑茶のカテキンパワーが一役買うことになるでしょう。お茶屋としてはお茶を飲んでいただき、コロナ感染症が早く終息することを祈ってます。

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